かつて、国内外におけるタイプライターの用紙には、
土佐特産の「典具帳紙(てんぐじょうし)」という和紙が使われていました。
この和紙は、薄く・強い紙として愛用され「カゲロウの羽」とも賞賛されていた程です。
しかしながら、コピー機の普及に伴い、
タイプライター用紙としての需要は減少していきます。
この典具帳紙の特徴は、薄さと丈夫さに加え、
劣化しにくい(塩素不使用)という性質上、
絵画や古文書、仏像等の文化財の修復に重宝されており、
未だに高い評価を得ており、別の分野で活躍しています。
典具帳紙を使った修復では、東京の浅草寺宝蔵門の
吽形像(阿吽像の左側)でも用いられています。
その他、海外では、スペインやポルトガルの
図書館、西欧、中東、中国などへ活躍の場を拡大しているのです。
一方、和紙の伝統を守るべき、立ち上がったのが
高知県日高村の「ひだか和紙」。
2009年に機械漉きによる薄さ0.02ミリという天然繊維の和紙を開発しました。
この薄さの和紙は世界で最も薄いとされています。
また、同年の2009年、伝統的な手漉き和紙の
石州半紙(すきしゅうばんし)は、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。
この和紙も文化財の修復やブータンの
製紙産業育成をサポートする形で、
日本の伝統技術が世界に伝承されています。
世界に日本の伝統技術が伝承されている事は、とても嬉しいことですね。
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